胃カメラ・大腸カメラについて
年々医療の進歩は目まぐるしいですがそれでもなお、胃がん・大腸がんといった消化器系腫瘍は日本人の死亡原因の上位を占めています。そのような重大な病気も早期に発見すれば治癒できる可能性が高いため、いかに早期発見・早期治療を行うかが非常に重要です。
とはいっても、仕事で忙しい方や、子育てや家庭のことで忙しい方にとって、『内視鏡検査を受けることが大事なのはわかっているのですが、なかなか時間がとれなくて…』という声は度々耳にします。
また、内視鏡検査はつらい、怖いといったイメージを持たれている方や、内視鏡がつらくて二度とやりたくないと思われた方もおられると思います。
そこで当病院では、様々な工夫を重ね、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査ともに、
「苦痛が少ない・早い・安心」のもとで検査を受けることができます。
胃内視鏡検査の工夫
午前中で食事をしていなければ予約なしで当日にできることもあります
必要に応じて軽い痛み止め(鎮痛剤)を使用できます
眠ってできるお薬(鎮静剤)は安全性や目覚めを考えて最小限の処方とします
ご希望の方は「経鼻内視鏡」による検査ができます
富士フィルム社製の経鼻内視鏡スコープです。
管が径5~6mmと細く柔らかいため、嘔吐反射(えずき)が発生しにくいのが特徴です。
藤本病院消化器内科のこだわり
NBIで観察すると…線で囲まれた部分が食道がんとして認識できます。
いずれも矢印の中が癌部です。
通常内視鏡よりもNBI内視鏡で見たほうが癌がよくわかります。
検査の準備
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検査予約
内視鏡検査は予約制となりますが、当日朝絶食であれば当日にできることもあります。 -
検査前日
1.前日の夕食は9時までに済ませ、以後固形物を食べないでください。
水分(水・お茶・紅茶・スポーツドリンクなど)はお摂りいただいて構いません。 -
検査当日
朝食は食べずに来院してください。コップ1杯の水・お茶などはお摂りくださって構いません。
高血圧の薬は、検査当日の朝6時までにお飲みください。血液をサラサラにするお薬は、あらかじめ内服を中止していただきます。現在内服している薬、注射(インシュリン)などはすべて持参してください。 -
検査の前に
お手洗いを済ませておいてください。
入れ歯はあらかじめ外しておいてください。口紅も落としていただきます。
また、ベルトをゆるめ腹まきやコルセットなど、お腹を締めるつけるものははずしていただきます。
検査の流れ
検査
来院後、胃の中をきれいにするために、薬の入ったお水を飲んでいただきます。
ご希望の方は、内視鏡検査を楽に行うために、軽い鎮静剤の注射をします。
喉にスプレー式の麻酔薬を噴霧します。
内視鏡を喉より挿入し、検査が始まります。
検査時間は5~10分間程度で終了します。ゆっくりと腹式呼吸をくり返すと楽になります。二酸化炭素を入れて胃をふくらませます。
ゲップを出さないように深呼吸をして我慢しましょう。
検査結果
診察室で、撮影画像を見ながら、検査結果を詳しくご説明します。
組織をとった場合には、10日後以降に再び受診します。
検査が終わったら
喉の麻酔が切れるまで、1時間ぐらいは食べたり飲んだりしないでください。
検査のときに空気を入れて胃をふくらませるので、お腹が張った感じがあるかもしれません。
検査終了後、ガスが出て自然に治りますのでご安心ください。
検査のときに食道や胃の中を観察しやすくするために、色のついた液を入れることがあります。
この場合、あとで尿や便に色がついたり、胸やけが残ることがありますが心配いりません。
検査時に細胞を取った場合、検査結果がでるまで10日ほどかかります。後日改めて検査結果の説明となります。
検査当日は鎮静剤を使用する場合があります。
検査後は危険ですのでお車の運転ができません。
注意事項
血液を固まりにくくするお薬(抗凝血剤の小児用バッファリン、ワーファリン、パナルジンなど)を服用中の方は、組織採取をした場合、血が止まりにくくなります。
そのため、検査前日もしくは当日から服用を中止していただきます。詳しくはスタッフから説明させていただきます。喉に麻酔スプレーをしますが、麻酔薬や薬アレルギーがある方は申し出てください。
喉の反射が強いと思われ、胃内視鏡を苦手と感じている方、または、以前に受けた検査がつらかったと感じている方は、気軽に申し出てください。
楽に検査を受けていただけるように配慮いたします。
大腸内視鏡検査の工夫
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患者さんに合わせて一番苦痛のない挿入方法を選択
大腸の各部位に応じた「体位変換」や、患者さんの苦痛が特に少ないという点で「浸水法」(空気は入れず少量の水を入れて挿入していく方法)も採用しています。 -
空気より吸収の早い「炭酸ガス」を使用
検査中や検査後のおなかの張りを軽減しています。 -
下剤が苦手な方のために、ピコプレップを採用
下剤としては150mlを2回飲むだけで、他の下剤とは比べ物にならない少なさです。合わせて飲む「透明な水分」についても、透明であればスープやリンゴジュースや炭酸飲料も可です。 -
予約時間までご自宅で服用していただく「自宅法」採用
病院内での滞在時間が短く済み、コロナ禍でも安心して検査を受けることができます。
その他
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熟練した専門医のみが内視鏡を担当
日本消化器内視鏡学会専門医と日本消化器病学会専門医の資格を持つ医師が正確な診断を行います。 -
富士フィルム社製の最上位機種(レザリオ7000システム)を採用
高精細な内視鏡システムと高精細拡大内視鏡を使用することにより、より小さな病変を早期に発見することが可能です。 -
同日・同時に胃カメラ、大腸カメラを行うことが可能
同じ日に一気に胃カメラと大腸カメラを行う場合、食事制限や、通院・外来の回数、検査前後の待ち時間もトータルで減ることになりますので、時間的・金銭的・身体的なご負担を減らすことができます。
大腸内視鏡検査にかかる時間に10~15分追加するだけで、胃と大腸両方の検査を終えられます。 -
日帰り大腸ポリープ切除が可能
大学病院でも使用しているエルベ社の高周波手術装置を使用し、リスクを最小限に抑えることで日帰り手術が可能です。
このほか、検査についてお悩みのある方は気軽に相談して頂ければと思います。